1. 屋根が剥がれていますよ!
「突然ピンポンが鳴って『屋根が剥がれていますよ! 今すぐ直さないと雨漏りします』と強く勧められた」「火災保険で“無料”と言われたのに、あとから高額請求された」――そんなトラブルの相談が、埼玉県狭山市で急増しています。
屋根は普段見えにくい場所だからこそ、不安をあおって契約を迫る悪徳業者の格好の標的になりがちです。
本記事では悪徳業者の具体的な手口とその場でできる見抜き方、そして万一被害に遭ったときの対処法まで徹底解説します。大切な住まいとお金を守るために、ぜひ最後までお読みください。
2. 狭山市で屋根修理トラブルが急増している背景
リフォーム需要の高まり
狭山市は 1990 年代に分譲された戸建て住宅が多く、築 25〜35 年の「そろそろメンテナンスが必要」な時期に差しかかっています。屋根材が劣化しやすいスレート(コロニアル)を採用している家も多く、屋根を直したいニーズが一気に顕在化しています。
台風・ゲリラ豪雨の激甚化
近年は秋口の台風や局地的豪雨で瓦のずれや棟板金の飛散が相次ぎ、災害後の「駆け込み修理」需要が発生。そこへ便乗し、素性のあやしい業者が隣県から流入している実態があります。
高齢化と空き家問題
狭山市の 65 歳以上人口比率は 2024 年時点で約 29%。判断力が落ちた高齢者や、遠方に住む空き家オーナーが話を鵜呑みにして契約してしまうケースが目立ちます。
これら三つの要因が重なり、「屋根修理は今が狙い目だ」と考えた悪徳業者が一気に増殖しているのが現状です。
3. 悪徳業者の代表的な手口 〈要注意!〉
- “屋根が壊れている”と不安をあおる訪問販売
玄関先で「近くで工事していて気付いたのですが…」と切り出し、スマホ写真を見せながら危険を強調。実際は別の家の写真を流用していることも。 - 火災保険を悪用した無料修理を持ちかける
「保険を使えば実質 0 円」と勧誘。申請が下りなかった場合は連絡を絶ち、足場や調査費だけ請求するパターンが多数報告されています。 - 極端に安い見積もりからの追加請求(追い金商法)
契約後に「下地が腐っていた」「予想以上に傷んでいる」と言い、追加費用を重ねて最終的に相場の 2〜3 倍になることも。 - 写真を偽装・加工して劣化を誇張
ドローンで撮影したと言いながら、ネットで拾った破損画像を提示。専門知識のない施主は真偽を確かめられません。 - 契約を急がせる“本日限定”トーク
「今日中に決めてくれれば半額」「今すぐやらないと次の雨で天井が抜ける」など、考える時間を奪ってハンコを迫ります。
4. その場でできる!悪徳業者の見抜き方チェックリスト
チェック項目 | ポイント |
---|---|
名刺・会社概要を提示できるか | 会社住所がレンタルオフィスや私書箱なら要警戒 |
建設業許可・屋根工事業の登録番号 | 県庁の建設業課サイトで番号照合可能 |
現地調査写真をその場で撮影・説明 | 当日撮影した画像かどうか、Exif 情報で確認も可 |
見積書の内訳 | 「一式」ばかりで単価がない場合は危険 |
保証内容・アフターサービス | 書面を即日用意できない業者は避ける |
口コミや行政処分歴を検索 | 「会社名+トラブル」「国交省 建設業者指導」で検索 |
上記を 3 つ以上クリアできない場合は、その場で契約せず必ず相見積もりを取りましょう。
5. 信頼できる屋根業者を選ぶ 7 つのポイント
- 地元で 10 年以上の施工実績 — 住所・電話番号が固定回線であるか確認。Google マップの口コミも参考に。
- 現地調査を 30 分以上かけて丁寧に行う — 屋根裏や雨樋までチェックする業者は信頼度が高い。
- 写真付きの詳細見積もりを複数プラン提示 — カバー工法と葺き替えの比較など、選択肢を示してくれる。
- 第三者機関の認定・加盟 — 住宅リフォーム瑕疵保険、全日本瓦工事業連盟など。
- 工事保証書とアフター点検 — 塗膜保証 10 年、施工保証 5 年など、書面で提示。
- 保険申請代行の手数料を明示 — 成功報酬型か、着手金が必要かを明確にする。
- 契約書・重要事項説明書を必ず交付 — 電子契約でも可。口頭契約はトラブルの元。
6. トラブルに遭ったときの対処フロー
- クーリングオフ(訪問販売なら 8 日以内)
書面または電子メールで通知。はがきは両面コピーを取り簡易書留で送付。 - 狭山市消費生活センターへ相談
TEL:04-2954-7799(平日 9:30‑16:30) - 証拠保全
見積書・契約書・領収書・LINE 履歴・通話録音・施工写真をすべて保存。 - 埼玉県建設業課・国交省の建設工事紛争審査会
建設業許可業者なら行政指導や指名停止の可能性も。 - 弁護士・住宅リフォーム紛争処理支援センター
無料相談を活用し、損害賠償や契約解除の可否を確認。
住まいるダイヤル:https://www.chord.or.jp/
7. まとめ
- 狭山市では築年数の経過・災害の多発・高齢化を背景に、屋根修理をめぐる悪徳業者が急増。
- 手口は「訪問販売」「保険悪用」「追い金」「写真偽装」「契約急がせ」の 5 パターンが主流。
- 見抜き方は名刺・許可番号・内訳見積もり・保証書・口コミ確認が鉄則。
- 相見積もりは最低 2〜3 社、契約は必ず書面で。
- 万一被害に遭ったらクーリングオフ → 消費生活センター → 証拠保全 → 専門家の順に行動する。
不安を感じたら、一人で抱え込まず第三者に相談が鉄則です。正しい知識と冷静な判断で、悪徳業者から大切な住まいと家計を守りましょう。
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